⑤キサゲ加工とは

工作機械講座

すべりガイド方式の摺動面機構では、送り台と台座が接した状態になっています。平滑度の高い面同士を密着させると、リンギングという現象によって互いに固着してしまい、円滑な駆動の妨げになります。“キサゲ加工”は、この現象を避けるために、摩擦を減らしながら潤滑油を供給するための微小な窪みを付けるために行う加工です。

 

工作機械の摺動面の精度は、製造した製品の精度に直結するため、極めて高い精度の平滑性と、適切な数と深さの“キサゲ加工”の両立が必要になります。弊社では、この“キサゲ加工”を伝統技術として長年にわたって培ってきており、工具も工夫を重ねた結果、独自の形状のものを使用しています。このような培ってきた技術と道具を用いてベテランの職人が一つ一つ、手作業で“キサゲ加工”を行っているからこそ、高剛性かつ高精度を両立した工作機械を実現できるのです。