③クシ刃型旋盤とタレット型旋盤の比較

工作機械講座

旋盤には、クシ刃型とタレット型があります。クシ刃型はその名の通り、髪をとくのに使う“くし”のように、刃具を横送り台に並列に固定して使用します。タレット型は円形の回転機構に放射状に刃具を取り付けて使用します。

 

クシ刃型は、刃具の位置割り出しが送り台の移動のみで行われるため、割り出し時間が高速であることが最大の特徴です。また、主軸が同一の台に設置される構造のため、加工時に発生する摩擦熱による変異の影響を受けにくいことから、高い精度を出すことが可能で、量産時のバラツキを抑えることが可能です。そのため、クシ刃型旋盤は、高精度な量産加工に適していると言えます。

タレット型は、円形の回転機構を旋回させることで刃具の割り出しを行うため、割り出し時間はクシ刃型に比べて長くかかりますが、多工程の加工を自動で行うことができます。加工位置にある刃具のみを使用する構造のため、刃具同士の干渉が起こりにくく、加工時に発生する切粉の影響も起こりにくいのが特徴です。そのため、タレット型旋盤は、様々な種類の加工を組合わせた多工程加工に適していると言えます。