②旋盤購入時の検討ポイント
旋盤は、他の工作機械と比べると種類が豊富です。機械のサイズに加え、様々な観点を考慮して検討する必要があります。今回は、購入時の検討ポイントを紹介します。
機種の検討ポイント
機械を選ぶ際には、以下の11項目を検討するとよいでしょう。
加工サイズ | 1.取付最大径(mm) ※ベッド上の振り 2.チャックサイズ(インチ) 3.取付最大長さ(mm) ※心間長さ |
機構 | 4.刃物台形式 5.案内面の方式 6.主軸数 |
加工仕様 | 7.主軸貫通穴の有無 8.刃物台最大取付本数 9.回転工具使用可否 10.Y軸有無 |
機械操作 | 11.NC制御装置メーカー |
【加工サイズ】
1.取付最大径(mm) ※ベッド上の振り
取り付けて主軸を回転させることが可能な最大径のことです。最大加工径とは違うので、分けて確認することが必要です。
2.チャックサイズ(インチ)
被削材を保持するチャックのサイズを表しています。複数のサイズから選定可能な機種もあります。
3.取付最大長さ(mm) ※心間長さ
取り付けることが可能な被削材の最大の長さです。主軸の端面から心押し台の端面までの長さなので、最大加工長とは分けて確認することが必要です。
【機構】
4.刃物台形式
NC旋盤の刃物台形式としては、通常の旋盤とスイス型自動旋盤があります。通常の旋盤が素材を1つ1つチャックで掴んで加工するのに対し、スイス型自動旋盤はバー材を押し出しながら、材料が尽きるまで同じ部品を連続して大量に自動加工します。さらに、通常の旋盤には、大きく分けて「クシ刃型」と「タレット型」の2つがあります(詳細は、こちらの記事をご覧ください)。
5.案内面の方式
旋盤では「すべりガイド(すべり案内)方式」と「LMガイド(ころがり案内)方式」の2つが主に使われています。詳細は、こちらの記事をご覧ください。
6.主軸数
加工で使用する主軸の数は、1本または2本から選ぶのが一般的です。主軸数を2本とする場合は加工内容によって、主軸の向きを「並行2軸」と「対向2軸」、どちらかにするかを選定します。
【加工仕様】
7.主軸貫通穴の有無
棒材を使用した連続加工を行う場合は、主軸貫通穴が必須となります。
8.刃物台最大取付本数
主軸に取り付けた被削材を目的の形状にするのに、最大何本の工具が必要かで選定します。
9.回転工具使用可否
穴あけのドリルなど、回転を必要とする工具を使用するかどうかで選定します。
10.Y軸有無
被削材の中心方向から外れた位置への加工が必要かどうかで選定します。
【機械操作】
11.NC制御装置メーカー
既存の機械との互換性が必要な場合など、NC操作方法に制約がある場合には選定が必要です。
その他の検討ポイント
機械は、買って終わりではありません。メンテナンスを含め、メーカーとの付き合いが長く続くことになりますので、購入の際には機種の検討に加えて、以下の5項目も併せて検討してみてはいかがでしょうか。
機械性能 | 1.真円度 2.位置決め精度 3.機械の耐久性 |
サポート力 | 4.サービス体制 5.企業文化・健全性 |